脱毛症は男性だけの症状ではありません。女性にも薄毛の症状があります。
その悩みを抱える方は以外に多く、成人女性の4人に1人が薄毛の症状に悩んでいると言われています。
「ボリュームがダウンした」「髪の分け目が目立つようになってきた」「髪の毛が細くなってセットが決まらない」などの症状に心当たりはありませんか?
女性の脱毛症にはいくつかの種類がありますが、その一つが「びまん性脱毛症」です。
こちらのページではびまん性脱毛症について解説しています。原因や治療方法について気になる方は是非ご覧ください。
びまん性脱毛症の特徴
びまん性脱毛症の特徴として、頭皮全体の髪の毛がまんべんなく薄くなってくることがあります。
特に髪の毛の分け目やつむじなど頭頂部付近を中心に、地肌が見える部分に薄毛を認識されるようになります。
男性型脱毛症(AGA)の場合は、額やこめかみが後退や頭頂部の脱毛が進行し、悪化するとほとんどの髪の毛が抜けてしまうものです。
女性で髪の毛の大部分が抜け落ちている方はあまり見かけないと思いますが、それは男性に比べ女性ホルモンの量が多いからだと言われています。女性の体内で分泌される男性ホルモンの量は、男性の10%ほどの量です。
びまん性脱毛症は男性の脱毛症よりゆっくりと進行し、薄毛に気が付くのに時間がかかります。薄毛の症状の改善にとりかかるのが遅くなる場合が多いと言われています。
びまん性脱毛症の原因
なぜ女性はこのような脱毛症になるのでしょうか?
びまん性脱毛症の原因の一つにFAGA(男性型脱毛症)があります。女性が更年期を迎えたりストレスや疲れの蓄積、過度なダイエットによる栄養の偏りなどが原因で、体内のホルモンバランスが崩れることがあります。
加齢による場合、閉経が近くなる女性は女性ホルモンの分泌が減少するようになります。エストロゲン(卵胞ホルモン)と呼ばれる女性ホルモンは、女性特有の丸みを帯びた体つきや肌や髪の質、自律神経の安定、肌や髪の保湿力をアップし潤いを与える働きがあります。
ストレスや疲れによる不眠などは、体の体調に関係する自律神経のバランスを崩してしまいます。自律神経の崩れにより全身に緊張を起こし血管を収縮させてしまいます。頭皮や毛根も例外ではなく、これまでのように栄養を運んだり細胞分裂を活発化させることが出来なくなってきます。栄養が不十分な頭皮には弱々しい髪の毛が生えてくるようになります。
他の原因として、過度なダイエットによる栄養不足、過度な飲酒や睡眠不足による不規則な生活、妊娠や出産、ピルの服用、遺伝による体質などにより代謝や血流の悪化、ヘアサイクルの乱れを起こし脱毛症になってしまいます。
びまん性脱毛症には原因が複数あり、それぞれのタイプによっても違いがあります。
びまん性脱毛症の症状
びまん性脱毛症の症状は主にFAGAが原因となり、男性ホルモンによるヘアサイクルの乱れによって起こります。
女性の体内にも少ないですが、男性ホルモンが存在し、女性ホルモンの減少により男性ホルモンの働きが優位になります。
男性ホルモンはヘアサイクルを乱す脱毛の原因となるもので、男性ホルモンの働きが大きくなると抜け毛や細くて短い髪の毛が増えてきます。
休止期脱毛と呼ばれる症状で、ヘアサイクルの休止期の髪の毛の量が増え、普段の10%以上の抜け毛が増え、成長途中の太くしっかりした毛まで抜けてしまいます。
男性の脱毛症のような急激に大量の髪の毛が抜けるわけではなく、徐々に頭全体の髪の毛が減少し、細く短い髪の毛の割合が多くなり、髪の分け目やつむじなどの頭頂部を中心とした頭皮が見えるようになります。進行すると髪の密度が低くなりボリュームが無くなります。
頭頂部に細く短い髪の毛が多くなりますが、側頭部や後頭部は硬く太い髪の毛が残り密度も多いままの状態になります。
びまん性脱毛症の治療方法
女性がびまん性脱毛症の治療に使用するものは、主に血行を促進したり発毛因子を促す「ロゲイン(女性用)」や、髪の毛の成長を補助するパントテン酸やL-システインが配合された「パントガール」や「プリオリン」などのサプリが使用されます。
ロゲインは液状の外用薬となり肌に直接塗布して使用します。それ以外はすべて服用するタイプの育毛剤です。
シャンプーやコンデショナーなど頭皮に直接触れるものも体質に合っているのかを確認し、頭皮や髪にいいものを使うことでダメージによる脱毛を防ぐことができます。
髪に良い成分が多く含まれたシャンプー・コンディショナーもあるので、体の内側と外側からケアすると効率よくびまん性脱毛症を改善することに繋がります。
びまん性脱毛症は女性ホルモンの減少による、男性ホルモンの働きが優位になることです。
女性はもともと男性ホルモンの量は少ないため、男性が使用するプロペシアなど男性ホルモンの働きを抑える医薬品は効果を発揮しません。
さらに女性に推奨されていない理由として、妊娠する予定や妊娠中の女性の体内に男性ホルモンの働きを抑える成分が入ると、胎児の男性器の発育に問題が出る可能性があるからです。アメリカで閉経を迎えた薄毛に悩む女性に対して、プロペシアを服用してもらう試験を行った結果、有効性は認められない結果になりました。
びまん性脱毛症まとめ
びまん性脱毛症の症状は年齢が関係なく、ホルモンバランスの乱れが原因で起こる症状です。
徐々に進行するびまん性脱毛症はなかなか気が付くのに時間がかかるかもしれませんが、気が付いたら早めに対策を取ることをおススメします。
薄毛の治療は男性だけのものではありません。女性用の育毛剤やサプリメントも多く発売されています。
ウィッグなど手軽に薄毛を改善できるものもありますが、普段の生活を潤いのある豊かなものにするためにも、気になる薄毛対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。